令6年度Creative space 2024宇フォーラム美術館賞
2025.03.22
この賞は、令和6年11月9日・10日に宇フォーラム美術館において行われました、舞台芸術等総合支援事業(芸術家等人材育成)「Creative space2024」宇フォーラム美術館提携ダンスパフォーマンスへの出品作品を厳正に審査し選考いたしました。
令和6年度 Creative space 2024宇フォーラム美術館賞 内山陽瀬
作品「minute connection」 撮影:水内宏之
- 受賞理由
- 受賞作品「minute connection」
この美術館の4面の壁はシンプルで「余白」である。美術館の主人公は動かない絵であるが、今回の主人公は動くダンサーである。多くの会場は暗くして中央天井からのスポットライト的なライティングが多いが、当館では横からのライティングが多用された。ダンサーに照明の光が当たり、壁に演者の影が映る。その影は拡大されダンサーより数倍も大きく、素早く動く。それは結果的に一人のはずなのにダンスの影により、もう一人の黒いダンサーとの共演のようだ。その視覚的効果に目を奪われたのは、能美健志監督の演出もあったと思うが、内山陽瀬さんがクラシックバレエ出身でダンスの動きに優雅な上にスピード感があったからであり、芸術は技術でもあることを再認識した。さらに二室の会場でのダンスにより、観客移動は伴うものの見る場所により印象が異なる欠点を解消したと思う。そして作品のテーマである音との融合では、緊張感のあるチャイコフスキーの協奏曲が効果的であり、作者の意図は充分に伝わった。 - 略歴
- 内山陽瀬/6歳から茨城県でクラシックバレエを始める。お茶の水女子大学舞踊教育学コース卒業。クラシックバレエを大和雅美、コンテンポラリーダンスを能美健志に師事、ダンステアトロ21に所属。
ドイツのPalucca Schule Dresden短期留学後、アメリカRoanoke Ballet Theatreでの短期研修を経て現地公演にゲスト出演する。現在は日本国内でバレエ、コンテンポラリーダンスの舞台に出演しながら、都内でバレエの指導者としても活動する。